……………勝ち越しの1点がどうしても欲しかったレイソルだった。しかし、90分間ではそれも叶わなかった。決め手を欠き、ついに試合は延長戦に突入してしまった。
延長戦への突入が決まった。
ピッチの上では水分補給、マッサージ、監督・コーチングスタッフからの指示と、慌ただしい時間が過ぎていった。
そして延長戦が始まる直前。チーム全員で円陣を組んだ。
「勝ったとしても勝ち点は2。そうなると今ステージは延長勝ちがは3試合。だから、勝ち点は6だ。
全部90分勝ちならば9のはずなのに」とネガティブな考えを持つ選手もいたに違いない。また、これだけ延長戦を戦えばそう考えてしまっても不思議ではない。
ミョンボはそんな考えを消し去らねばならないと考えていた。
この試合に勝っても、得られる勝ち点はわずか2。
どんなことがあっても2をゲットしなくてはいけないのだが…………………。
過去、優勝したチームと2位チームの差は決して大差がついた例は多くはなかった。
97年以降では……………………
●97シーズン(参加17チーム)
1stステージ 勝ち点差は2
優勝 鹿島アントラーズ 勝ち点37
2位 横浜フリューゲルス 勝ち点35
2ndステージ 勝ち点差は6
優勝 ジュビロ磐田 勝ち点40
2位 ガンバ大阪 勝ち点34
●98シーズン(参加18チーム)
1stステージ 勝ち点差はなし
優勝 ジュビロ磐田 勝ち点39
2位 清水エスパルス 勝ち点39
2ndステージ 勝ち点差は3
優勝 鹿島アントラーズ 勝ち点42
2位 ジュビロ磐田 勝ち点39
●99シーズン(参加18チーム)
1stステージ 勝ち点差は2
優勝 ジュビロ磐田 勝ち点34
2位 ヴェルディ川崎 勝ち点32
2ndステージ 勝ち点差は2
優勝 清水エスパルス 勝ち点35
2位 名古屋グランパス 勝ち点33
最終的な順位は、勝ち点のわずかな差によって決定されることが多かった。
この試合に勝ち、通算成績を5勝1敗としたとしても、5勝のうち延長戦での勝利が3試合を数えることになる。
5勝全てが90分間での勝利ならば得られる勝ち点は「15」。
しかし、この時のレイソルには「12」しか上げることが出来ない状況だった。
今日の試合も同点で90分が過ぎてしまった。
しかし、ミョンボは全日程が終了したときのことを思い浮かべていた。ステージが終わったとき、勝ち点2、はどういうことを意味するのか。
「ここで、勝ち点2を得るのと、失うのでは、最後に大きく結果が変わってくる」とミョンボは考えていた。
円陣でミョンボは
「勝ち点2は、大きいものだ」
と一言、話した。
あの試合を落としてなかったら…………。シーズンが終わってみて、そう後悔することがないようにとの気持ちを込めて。
【続きは明日です】
text,photo by Takahashi KENT/高橋建登 無断転載を禁じます
2008-08-25 01:00 nice!(0) コメント(0)
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