2008年8月13日水曜日

2008 0813/1999の其の1の③『みんな、自分がやらなくても、たぶん誰かがやってくれるだろうと、考えてはいないか』 続きの続き  ミョンボ語録



 こんにちは、Takahashi KENT/高橋建登です。
 先日、用賀中学校時代の仲間と会いました。相当、昔の話ですが、当時の用賀中はサッカーが強かったんですよ。
 世田谷区では敵なし、第二学区では目黒勢がライバル。3年生の時は東京都大会で優勝し、全国大会にも出場しました。
 でも時代は、Jリーグはないしサッカーは不人気種目。サッカーで生きて行くなんて考えられない時代でした。 サッカー凄く上手いけど、ちょっと残念なサッカー少年がたくさんいました。
 それでも、今でも、中学に集まってサッカーをやっているそうです、次の機会には私も参加したいと思います。
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 しつこいようですが、大韓サッカー協会のホームページに紹介されてしまっています。
 大変、嬉しいことです。
 大韓サッカー協会ホームページ日本語版/Takahashi KENT/高橋建登インタビュー
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  ミョンボ語録 其の1の 続きの続き、です


 ハーフタイムでロッカールームに引き上げる選手達の表情は極めて暗かった。
 「如何ともしがたい………………」ほとんどの選手にそんな表情がにじみでていた。
 ベンチに腰をかけても、沈黙の時間が流れた。自分を失ったかのような前半のプレー、このままては逆転されるかもしれない、言葉に出来ない重苦しい雰囲気が流れていた。
 その時、洪明甫が大声で怒鳴った。
【続きの続き】

 「みんな、自分がやらなくても、たぶん誰かがやってくれるだろう、だれかが助けてくれるだろう、そんなことを考えていないか」

 ミョンボが言いたかったことは、『全員が、自分が犠牲になるという気持ちでプレーしなくてはだめだ。ボールにいちばん近い選手が、行かなくてはいけない』ということたった。

 実はミョンボが自分の意見を、チームを前にしてハッキリと口にしたのはこれが初めてだった。
 勿論、彼は韓国語で激を飛ばしたわけだった。選手達は、ふと、我に帰った。

 準決勝で勝つのと敗れるではそれこそ天と地ほどの大きな差がある。ファィナリストになれるかどうかは想像以上に重要で、また、難しい。
 ワールドカップでも決勝戦よりも準決勝の方が名勝負と言われる試合が多いのは偶然ではない。70年メキシコワールドカップのイタリア4-3西ドイツ、82年のドイツ3-3(PK5-4)フランス。
 持てる実力を充分に発揮し、そしてより強い精神力を持ったチームがファイナリストの称号を与えられる。

 ミョンボは3人の名古屋グランパスのMFを捕まえきれないことが最大の問題だと考えていた。レイソル守備陣の間を自由自在に動き回る平野、岡山、望月の3人のMF。どう対応すればよいのか? 特定のマークを付けるのではなく、ただ単に、最も近い選手がチェックに行けば良いことなのである。
 これを、たぶんあいつが行くだろう、と見てしまっていたら、危機感を持って対応に行かなかったら…………。レイソルの迎えたピンチは往々にして、そんな気の緩み、緊張感の欠如、集中力の散漫、といったところから迎えていた。

 気を取り直すとともに、ピンチの理由を充分に把握し後半に臨んだレイソルの選手には、前半のようなあせり、戸惑いは消え失せていた。中盤では体を張ってこぼれ球を狙い、高い位置で、いい形でボールを奪うことができれば、シュートチャンスを作った。全体に自信を持ったプレーを取り戻した。
第1戦のスコアと会わせて総得点は3-3。試合は全くの互角に入った。

 しかし、後半45分は両チームとも相手ゴールネットを揺らすことは出来なかった。
 グランパスとしては後半33分のチャンスをミョンボに潰されたのが痛かった。
左サイドで一瞬、プレーが止まったと思われた瞬間、素早く反応して次ぎに動き出したのはグランパスの3人のプレーヤーだった。
 野口幸司。レイソルの左サイドからフリーでドリブルで上がる、中を見れば味方MFも駆け上がっている。対するレイソル守備陣は反応が遅れ、あっと言う間に置いて行かれた。
 ここで野口に対してミョンボがアタック。反則覚悟でこのピンチを潰した。

 プロフェッシュナルファウル。 どうしようもないとき、状況次第ではファウルでも止めることだ。
 決して誉められないプレーかもしれない。
 ミョンボは、ロスタイムに入ってから自らの得点で1-1で引き分けに持ち込んだジュビロ磐田との準々決勝第1戦で、すでに1枚のイエローカードを受けていた。
そしてこのプレーで2つめの警告を受け、レイソルが決勝に進んだとしても自分自身は出場できなくなった。
 しかし、ミョンボのこの時のファウルがなかったら、おそらくレイソルは決勝に進めず、グランパスが決勝に勝ち進んだことであろう。

 試合はついに延長戦に突入。
 延長の後半8分。右サイドを突破した渡辺光輝が右足でクロスを蹴ると見せかけるキックフェイント。相手ではこれにつられジャンプしてボールを止めようとした。
 すかさず切り替えし、左足で強烈なシュート。このシュートは名手楢崎の手を弾きゴールに飛び込んだ。
 ミョンボの決勝戦欠場を代償としてレイソルはファイナリストの座を総力戦で勝ちとった。

【ミョンボ語録 其の1 終わり】

textphoto by Takahashi KENT/高橋建登 無断転載を禁じます
2008-08-13 00:02  nice!(0)  コメント(0) 



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