昔の話ですみません。相変わらず1999年の思い出話です。
私的にはこの頃の出来事をしっかりと押さえておきたくて掲載することにしました。
ただ、「ミョンボ語録」はレイソルカフェ、太陽文庫に紹介されていないものも、そのうち登場する予定になっています。
また、絶対数は少ないのですが「ソノン語録」「サンチョル語録」「ジョンファン語録」といった企画もありです。
魂の塊りみたいな彼らの一面を理解して頂けたら幸いです。との願いを込めて。
ただ、「ミョンボ語録」はレイソルカフェ、太陽文庫に紹介されていないものも、そのうち登場する予定になっています。
また、絶対数は少ないのですが「ソノン語録」「サンチョル語録」「ジョンファン語録」といった企画もありです。
魂の塊りみたいな彼らの一面を理解して頂けたら幸いです。との願いを込めて。
ミーティングの最後に、西野監督はミョンボに一言、求めた。
ミョンボはゆっくりと、かつ、毅然とこう言った。
「勝負の世界に2位はいらない。
2位にあるのは慰めの言葉だけだ。
常に、スポットライトを浴びることの出来るのは1位だけなのだ。」
そして「国立競技場に来る、黄色い服を来たレイソルのサポーター達は、レイソルがスポットライトを浴びることを期待して応援するのだ」と。 集中のレベルを1ランク引き上げるのには充分だった。
vs鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズはシードチームとして二回戦から登場。二回戦はガンバ大阪を1-1 1-0。
準々決勝は浦和レッズに0-2、3-0。そして準決勝はFC東京を2-0、1-0と下し、決勝進出を決めていた。
キックオフは午後2時だった。試合前のピッチではウォームアップ、そして最後の調整を行う両チームが選手の姿が、よく整備された国立競技場の芝生の緑に映えてまぶしかった。大型のスクリーンには両チームのメンバーが紹介されていた。
鹿島アントラーズのメンバーは
GK高桑
DF名良橋、室井、リカルド、相馬
MFは本田、ビスマルク、阿部、熊谷
FWは長谷川、柳沢
両チームとも守備の要、すなわち柏レイソルはミョンボ、鹿島アントラーズは秋田豊が警告累積で出場停止。さらに柏レイソルはGKの南雄太と明神を五輪代表の関係から欠いていた。
それでも柏レイソルは前半開始から好調だった。
開始5分にバデアがMF右サイドでボールをキープ。ここでバデアを俊足の酒井が追い越してスペースに走り込んだ。タイミングを合わせバデアから縦パスが出る。酒井の俊足を警戒しすぎたアントラーズDF陣は3人が酒井に集中してしまった。酒井はゴールラインぎりぎりでボールに追いつきペナルティーエリア、ちょうどペナルティースポットの位置に丁寧なクロスをグラウンダーで入れ、走り込んだ大野が右足インサイドでアントラーズゴール左隅に流し込んだ。
バデアの展開力、酒井のスピード、大野の正確なテクニックが実を結んだ得点だった。
前半、レイソルはこの後にもいくつかのチャンスを作ったが得点をあげられなかった。 アントラーズは21分にビスマルクが異議で警告を受け、23分に長谷川が負傷退場し、スピードのある若い鈴木が交代出場した。このビスマルクの警告は、あとあと、勝負の大きな分かれ目になる。
後半、アントラーズが立て続けのゴールで逆転に成功する。17分(62分)にビスマルク、19分(64分)に阿部が直接フリーキックを決めたのだ。
ミョンボは日頃からベテラン選手がすべきことの一つとして「チーム状態が良いときは特別、あれこれする必要はないが、チームの状態が悪いときや、チームがピンチに陥ったとき、ベテラン選手の経験が必要になる」と話している。
1-2とリードされた終盤、この「チームの危機」を救ったのはベテランの渡辺毅だった。寡黙なセンターバック。渡辺毅。181㌢、76㌔。エースキラーとして相手センターフォワードを封じ込めるプレーが身上だが、CK、フリーキックのチャンスには強力なヘディングを活かしJリーグでも多くのゴールを上げている。西野監督は終盤、渡辺毅をトップに上げさせた。
終盤のレイソルの布陣は北嶋、長谷川太郎、渡辺毅の3トップになっていた。
87分にビスマルクがオフサイドの笛が鳴ったあと、ボールをわざと蹴った、との判定からこの日2度目の警告を受け、退場処分になった。反則自体は悪質ではなかったが、審判には少しでも時間を稼ぎたいという気持ちから蹴ってしまったと見えたのではないか?。このビスマルクの退場はアントラーズに大きなダメージを与えた。
それでも予備審判が掲げた3分のロスタイムは確実に過ぎようとしていた。右サイドからのクロスに合わせた渡辺毅のヘディングシュートはジャストミートしたがゴールをわずかに外れ、もう終わりかもと思われた時。
渡辺毅が相手と競り合いながらぎりぎりの体勢でヒールで蹴り上げたボールを163㌢と小柄な長谷川太郎が精一杯のジャンプでアントラーズDFに競り勝ち、これを北嶋がキープ。「自分で打とうとしたが、ものすごい顔で走り込んでくるナベさん(渡辺毅)が見えた(北嶋秀朗)」ので、極めて丁寧なラストパスを渡辺毅に送った。渡辺毅の渾身のシュートは高桑のセーブも及ばずゴール左隅に突き刺さった。
この時、ロスタイムは4分ぎりぎりのところだった。
15分ハーフの延長戦でも両チームとも多くのチャンスを作り、北嶋のバーを叩くシュートもあったが結局、ついに両チームとも相手ゴールを割ることは出来なかった。そしてPK戦。
この時の勢いは明らかに柏レイソルに傾いていた。
PK戦は鹿島アントラーズの先攻。
阿部、下平と成功した後。
鈴木のシュートをGK吉田がセーブ。加藤は成功。
本田。北嶋は成功。
相馬。酒井も難なく決めた。
5人目。アントラーズは名良橋が成功。ここで大野が決めれば柏レイソルの優勝だったが、大野のシュートは高桑に阻まれる。
大野がシュートした瞬間、センターサークルにいた柏レイソルの選手たちは一斉に走り出したが、シュートがセーブされると急いでセンターサークルに向けてバック。お互い顔を見つめあって苦笑い、の瞬間だったが、流れは圧倒的に柏レイソルにあった。
5人を蹴って4-4の同点。
続く6人目、小笠原のシュートを吉田が再びセーブ。続いて登場したのが萩村。
萩村は落ち着いてゴール左隅にきっちりと蹴り込んだ。
気がついたらゴール前にレイソルの選手、スタッフでもみくちゃだった。
優勝したらミョンボも表彰台にあげよう。チーム関係者の一致した意見だった。
後になって表彰式の写真を見ると、ユニフォームとウィンドブレーカーを履いたミョンボがちょっと照れくさそうに写っている。
【ミョンボ語録 其の2 終わり】
vs鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズはシードチームとして二回戦から登場。二回戦はガンバ大阪を1-1 1-0。
準々決勝は浦和レッズに0-2、3-0。そして準決勝はFC東京を2-0、1-0と下し、決勝進出を決めていた。
キックオフは午後2時だった。試合前のピッチではウォームアップ、そして最後の調整を行う両チームが選手の姿が、よく整備された国立競技場の芝生の緑に映えてまぶしかった。大型のスクリーンには両チームのメンバーが紹介されていた。
鹿島アントラーズのメンバーは
GK高桑
DF名良橋、室井、リカルド、相馬
MFは本田、ビスマルク、阿部、熊谷
FWは長谷川、柳沢
両チームとも守備の要、すなわち柏レイソルはミョンボ、鹿島アントラーズは秋田豊が警告累積で出場停止。さらに柏レイソルはGKの南雄太と明神を五輪代表の関係から欠いていた。
それでも柏レイソルは前半開始から好調だった。
開始5分にバデアがMF右サイドでボールをキープ。ここでバデアを俊足の酒井が追い越してスペースに走り込んだ。タイミングを合わせバデアから縦パスが出る。酒井の俊足を警戒しすぎたアントラーズDF陣は3人が酒井に集中してしまった。酒井はゴールラインぎりぎりでボールに追いつきペナルティーエリア、ちょうどペナルティースポットの位置に丁寧なクロスをグラウンダーで入れ、走り込んだ大野が右足インサイドでアントラーズゴール左隅に流し込んだ。
バデアの展開力、酒井のスピード、大野の正確なテクニックが実を結んだ得点だった。
前半、レイソルはこの後にもいくつかのチャンスを作ったが得点をあげられなかった。 アントラーズは21分にビスマルクが異議で警告を受け、23分に長谷川が負傷退場し、スピードのある若い鈴木が交代出場した。このビスマルクの警告は、あとあと、勝負の大きな分かれ目になる。
後半、アントラーズが立て続けのゴールで逆転に成功する。17分(62分)にビスマルク、19分(64分)に阿部が直接フリーキックを決めたのだ。
ミョンボは日頃からベテラン選手がすべきことの一つとして「チーム状態が良いときは特別、あれこれする必要はないが、チームの状態が悪いときや、チームがピンチに陥ったとき、ベテラン選手の経験が必要になる」と話している。
1-2とリードされた終盤、この「チームの危機」を救ったのはベテランの渡辺毅だった。寡黙なセンターバック。渡辺毅。181㌢、76㌔。エースキラーとして相手センターフォワードを封じ込めるプレーが身上だが、CK、フリーキックのチャンスには強力なヘディングを活かしJリーグでも多くのゴールを上げている。西野監督は終盤、渡辺毅をトップに上げさせた。
終盤のレイソルの布陣は北嶋、長谷川太郎、渡辺毅の3トップになっていた。
87分にビスマルクがオフサイドの笛が鳴ったあと、ボールをわざと蹴った、との判定からこの日2度目の警告を受け、退場処分になった。反則自体は悪質ではなかったが、審判には少しでも時間を稼ぎたいという気持ちから蹴ってしまったと見えたのではないか?。このビスマルクの退場はアントラーズに大きなダメージを与えた。
それでも予備審判が掲げた3分のロスタイムは確実に過ぎようとしていた。右サイドからのクロスに合わせた渡辺毅のヘディングシュートはジャストミートしたがゴールをわずかに外れ、もう終わりかもと思われた時。
渡辺毅が相手と競り合いながらぎりぎりの体勢でヒールで蹴り上げたボールを163㌢と小柄な長谷川太郎が精一杯のジャンプでアントラーズDFに競り勝ち、これを北嶋がキープ。「自分で打とうとしたが、ものすごい顔で走り込んでくるナベさん(渡辺毅)が見えた(北嶋秀朗)」ので、極めて丁寧なラストパスを渡辺毅に送った。渡辺毅の渾身のシュートは高桑のセーブも及ばずゴール左隅に突き刺さった。
この時、ロスタイムは4分ぎりぎりのところだった。
15分ハーフの延長戦でも両チームとも多くのチャンスを作り、北嶋のバーを叩くシュートもあったが結局、ついに両チームとも相手ゴールを割ることは出来なかった。そしてPK戦。
この時の勢いは明らかに柏レイソルに傾いていた。
PK戦は鹿島アントラーズの先攻。
阿部、下平と成功した後。
鈴木のシュートをGK吉田がセーブ。加藤は成功。
本田。北嶋は成功。
相馬。酒井も難なく決めた。
5人目。アントラーズは名良橋が成功。ここで大野が決めれば柏レイソルの優勝だったが、大野のシュートは高桑に阻まれる。
大野がシュートした瞬間、センターサークルにいた柏レイソルの選手たちは一斉に走り出したが、シュートがセーブされると急いでセンターサークルに向けてバック。お互い顔を見つめあって苦笑い、の瞬間だったが、流れは圧倒的に柏レイソルにあった。
5人を蹴って4-4の同点。
続く6人目、小笠原のシュートを吉田が再びセーブ。続いて登場したのが萩村。
萩村は落ち着いてゴール左隅にきっちりと蹴り込んだ。
気がついたらゴール前にレイソルの選手、スタッフでもみくちゃだった。
優勝したらミョンボも表彰台にあげよう。チーム関係者の一致した意見だった。
後になって表彰式の写真を見ると、ユニフォームとウィンドブレーカーを履いたミョンボがちょっと照れくさそうに写っている。
【ミョンボ語録 其の2 終わり】
text,photo by Takahashi KENT/高橋建登 無断転載を禁じます
2008-08-15 00:38 nice!(0) コメント(0)
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