2000年4月29日の第9節、セレッソ大阪戦で1-4と大敗を喫した柏レイソル。
続く5月3日の第10節、柏サッカー場で行われたジェフユナイテッド市原との試合は2-1で競り勝ち、残り試合はいよいよ5試合になった。
ここまで10試合を消化して7勝3敗。順位は6位で勝ち点は17。首位のジュビロ磐田の勝ち点は20だった。逆転優勝の条件は絶対に取りこぼしをしないこと、首位との勝ち点差「3」を広げられないことだった。
そして11節。5月6日。アウエーのヴィッセル神戸戦を迎えた。
前日の5日。新幹線で神戸に入り、そこから宿舎までバスで移動。
バスの移動の車内ではヨーロッパのリーグ戦のシーンが流されていた。
激しいボール際での競り合い。勇気を出して飛び込んだ方がボールをキープできると信じ、そして激突、歪むプレーヤーの顔。痛みを隠しきれない表情。
選手達にしてみれば、ごく当たり前の映像だ、と思っていたかも知れない。当然のことだと。ただ、ミョンボは、「試合でこういったプレーが、実際に出来るだろうか? 11人が全員、このビデオの様にファイトしてくれたら負けないのに」と考えていた。
元々、サッカーとはそういうスポーツなのだ。ボディコンタクトを恐がっていては勝つことが出来ない。
ミョンボはつねにインタビューに対してこう答えていた。「柏レイソルには若く、才能のある選手が多い」と
ただ、いつも付け足していた一言があったのは事実だ。
「………だけど、精神的に弱いところがある」と。
【続きは明日です】
text,photo by Takahashi KENT/高橋建登 無断転載を禁じます
2008-08-31 01:47 nice!(0) コメント(0)